OTAOTABLOG

新卒社会人の雑記帳

原因不明の咳

2年前くらいからだろうか
僕は毎日咳をしている。

原因は分からないが1日中出る訳でもなく、気づいたら咳き込んでるくらいのものだった。

特に生活に支障をきたす訳でもなかったから気にもしなかった。

ただ、このご時世だけあって最近になり少し気になるようになり遂に原因不明の咳を解明すべく病院へ行った。

実家の近所のかかりつけの病院に着いた。
小さい頃からよく行っていた所だ。
懐かしさに浸りながら待合室に入ると入口で看護師さんに声をかけられた。
今日来た旨を伝えたら直ぐに追い返された。
どうやら咳が出る人は立ち入り禁止らしい。
僕は小さい頃から毎年インフルエンザにかかっていたから、病院の待合室は熱でだるそうな人や咳き込んでる人ばかりだったが今の病院は熱や咳が出る人は待合室にいることを許されない。
改めて考えれば現在そういった対策をするのは当たり前かもしれないが、2年前から咳がでてた僕にとってはまさかコロナかもしれないなんて考えは全くなくそこの配慮が欠けていた。
電話番号だけ伝え車で待つよう言われたので、電話が鳴るまで車で寝ていた。

1時間くらい経ったら電話がかかってきてその後看護師さんが迎えに来てくれた。
だいぶ長いこと待たされたから早く診察を受けて帰りたかった。
足早に入口に向かおうとする僕を看護師さんは止めて何やら病院の裏口らしき所に案内してくれた。
「多分大丈夫だと思うけど、念の為にね」
看護師さんはそう言いながら僕の前をすたすた歩いていく。
大袈裟だなぁと少し思ったものの逆にここまでしっかりやってくれてる看護師さんにちょっと申し訳なくもなった。
しばらく歩くと行き慣れた診察室とは違った入ったことの無い部屋に案内された。
まさかのレントゲン室だ。
咳が出る時は聴診器からの喉を見て
「喉が赤いね〜薬出しとくから様子みてね」
の黄金ルートだと思っていた僕はちょっと不安になった。
顔に透明の板をつけた完全防備の看護師と医師が入ってきて何枚か肺のレントゲンを撮ってもらった。
そのまま隣の部屋に移動して今度は採血をするらしい。
針は痛いから嫌いな僕は全く心の準備ができていなかった分変な汗が出てきた。
採血中も隣の部屋で看護師さんたちが診察を終えた僕をどの部屋に連れていくか話し合っていた。
結局採血が終わった頃には診療時間も過ぎていて院内に患者さんが誰もいなかったため待合室に入ることを許された。
しばらくして声がかかり見慣れた診察室に案内された。
運命の診察結果発表だ。

医師はレントゲンで撮られた僕の肺を指しながら、
「特に肺に影も無いし、血液検査次第だけど多分喘息だね。薬出しとくから様子みてね。」

想像を超えた厳重な診察フローを経た僕はそれを聞いて拍子抜けした。

腐るほど聞いてきて、今までなんの疑問も抱かなかった
「薬出しとくから様子みてね。」
の一言がこんなにも頭に残るとは。

コロナでは無いらしいが、結局ハッキリとした答えが出ないまま帰ることになった。

今までも気にならなかったこの咳とはもう暫く長い付き合いをしていきそうだ。