12日間シェアハウスに住んだ話 後編
〈お詫び〉
昨日男子寮生活と書いたけど、女の子1人残ってました。
テラハ解散事件があったものの、結局のところそんなに生活自体は変わらなかった。
寧ろ、ほぼ男(男:女=7:1)だけということもあり、気を使うこともそんなにない。
皆も女の子の目がない分、心なしか本来のキャラを表に出せて活き活きとしているようにも思えた。
言うまでもないが、リビングの掲示板(ホワイトボード)には「静かに!」「Keep Quiet!」などと書かれていた。大謝罪。
そんなこんなで遂に社会人初めての週末。
曜日感覚もなくなるくらいボケーとしていた大学生終盤の自分を殴りたくなるくらいのありがたみを感じた。
万年実質の流行語大賞「華金」とはこんなにも尊いのかと。
本来のシェアハウスの休日はドライブ行ってBBQしたりするんだろうなと。
ただ、このご時世外出はできない(COVID-19)。
社会人になって記念すべき第一土日にやったことは会社から出された課題と勉強と読書のみ。
休日にも関わらず気合を入れて7時に起きたものの、机に向かって終わった。
これを圧倒的成長領域とポジティブに捉えるよう洗脳するしかなかった。
無事洗脳されたおかげで、今日まで土日の半分以上は机に向かってる。
洗脳を解いてほしいからどなたか落ち着いたら外に連れ出してください。
そして音速で土日が過ぎていった。
2週目、最後の女の子含め4人が週明け早々に帰省した。
急すぎた。
まだ実質7日くらいしか経ってないのに13人中残ったのは僕含め4人だ。
皆の行動力の根源は何なのか。
数日前に書かれたリビングの掲示板の文字がかわいそうに思えるくらい静かになった。
もはやただのなんとも言えないくらいに絶妙に汚い家だった。
でも、そんな中残った3人にはめちゃくちゃ助けられた。
静かになったけど、それでも友達といる時間は楽しかったし、研修も頑張れた。
ただ、慣れない社会人生活に加え連日課題ややりたいことも多く、料理する時間が取れなかったからかなり質素な生活を送っていた。
朝昼晩基本的には同じメニューだった。
大会出るんですか?
改めて見ると引く。味付けは塩のみ。
ポジティブに捉えるなら、この生活のおかげで今は何食べても美味しいと思えて人生豊かになった。
結局、もっと色んな食材を食べたいという欲求から、僕も12日目で実家に帰ることにした。
実家に帰ることを決意してから余計に毎日頑張れた。
帰るのが楽しみで仕方なく、特に前日の夜は遠足の前の小学生だった。
自分にご褒美(なんの)として帰省前夜は天丼、カツ丼、ピザ、ポテチをビールで流し込んだ。
最高の前夜祭だった。
しかし不思議なもので、いざ帰るとなると寂しさが押し寄せてきた。
友達と離れてしまうのもそうだが、意外なことにこの微妙な家に言葉にできないくらいの愛着が湧いてた。
家だけでなく、街もいいところだった。
退去する準備をしながら、もう人生で二度とくるような場所ではないだろうなと思い、1人でクソエモくなってた。
たった12日だけど
初めての社会人としてワクワクと不安の中で生活した場所だったり
社会人になって初めてできた友達だったり
人生で初めてのシェアハウスだったりと、微妙すぎる家での生活が僕の中では一生に一度の大切な思い出になった。
インドで一人旅すると人生変わるとかよく聞くけど、東京の郊外でシェアハウスしても人生変わる。
玉川学園(町田市)は僕のアナザースカイだ。